執筆者
池浦整形外科
院長池浦 淳
経歴
- 2001年関西医大附属病院 整形外科
- 2003年天心堂へつぎ病院 整形外科
- 2004年宇治徳洲会病院 整形外科
- 2005年市立岸和田市民病院 整形外科
- 2008年関西医大附属病院 整形外科
- 2017年関西医科大学総合医療センター 整形外科
- 2020年関西医科大学総合医療センター 脊椎神経センター 副センター長
骨粗鬆症とは、骨の強度が低下し、骨折しやすくなる病気です。骨は身体を支える重要な組織であり、日常生活の動作や姿勢を保つために大切な役割を担っています。しかし骨の量や質が低下すると、わずかな転倒や軽い衝撃でも骨折が起こりやすくなります。骨粗鬆症は特に高齢の方や閉経後の女性に多くみられる病気ですが、生活習慣や持病、服用している薬などが原因となって発症することもあります。また、初期にはほとんど自覚症状がないことが多く、気づかないうちに進行することも少なくありません。
骨は一度作られたらそのまま変化しない組織ではなく、体の中で常に新しく作り替えられています。骨では古くなった骨を壊す働きと、新しい骨を作る働きが繰り返されており、この仕組みを骨代謝といいます。
骨を壊す働きを行う細胞は破骨細胞と呼ばれ、古くなった骨を分解する役割があります。一方で、骨芽細胞は新しい骨を作る働きを担っています。健康な状態ではこの二つの働きがバランスよく保たれており、骨の強さが維持されています。若い頃は骨を作る働きが活発なため骨量は増えていきますが、年齢を重ねると骨を作る力は徐々に低下していきます。
骨粗鬆症では、骨代謝のバランスが崩れ、骨を壊す働きが骨を作る働きを上回る状態になります。その結果、骨の量が徐々に減少し、骨の内部構造が弱くなっていきます。
骨の内部は海綿骨と呼ばれる網目状の構造をしており、この構造が骨の強度を保つ重要な役割を果たしています。しかし骨粗鬆症では、この網目構造が細くなったり数が減ったりすることで、骨の密度と骨質の両方が低下します。医学的には、骨粗鬆症は骨密度の低下と骨質の劣化によって骨強度が低下した状態と定義されています。
こうした変化によって骨はもろくなり、転倒や軽い衝撃だけでなく、日常生活の動作でも骨折が起こることがあります。特に背骨の圧迫骨折、手首の骨折、大腿骨近位部骨折などは骨粗鬆症に関連して起こりやすい骨折として知られています。
骨粗鬆症は初期の段階では自覚症状が少ないため、症状が出てからではすでに骨折が起こっていることもあります。そのため、骨密度検査などによって早い段階で骨の状態を確認することが重要です。
骨粗鬆症は適切な検査と治療によって、骨折のリスクを減らすことが期待できる病気です。骨密度の低下を指摘された方や、閉経後の女性、背中や腰の痛みが続いている方などは、一度骨の状態を確認することをおすすめします。早期に骨の状態を把握し、生活習慣の見直しや治療を行うことが将来の骨折予防につながります。
骨粗鬆症について







